広島大学 教職大学院

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概要

理念・目的

「探究・創造・協働の学び」を追求と「総合的で実践的なプロフェッショナル」の育成

 「広島大学大学院教育学研究科 教職開発専攻(教職大学院)」は,学校における諸課題について,優れた実践的対応力と実践研究力を備えるとともに,「自己の崇高な使命を深く自覚」した,新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員,新しい学校づくりの中心となるミドルリーダー及びこれからの学校づくりを牽引し指導的な役割を果たし得るスクールリーダーを育成することをミッションとしています。

 広島大学教育学研究科博士課程前期における教員養成のこれまでの取組では,平成21年4月に,学校教育における教育実践を中心に据えた高度専門職業人の養成をねらいとして,5つの専攻において「初等教育開発」「中等教科教育開発」「学校経営・行政開発」という3つの「教職高度化プログラム」を開設し,教員養成に求められる時代の要請に応えてきました。そこでは,児童・生徒に対する指導スキルの熟達を図るだけでなく,児童・生徒が抱える教育上の諸課題を解決するためのカリキュラムや学習材や学習指導法などの開発力の向上を重視し,実習を中心としたプログラムを組むことによって,多くの優秀な教員,さらに指導主事や学校管理職等を輩出してきました。しかし,従前の「教職高度化プログラム」では,既存の大学院博士課程前期(修士課程)の枠組みのもとで,特定の専門領域を重視したエキスパートの育成という傾向が強く,教職関連プログラムが十分に含まれていたとは言えませんでした。そのため,今日求められる「新しい学びへの対応」や「学校現場での今日的課題への対応」などの全てに応えていくことを目指して,専門領域横断型の組織を持つ本専攻(教職大学院)を創設し,今日の教員養成の諸課題に応えていくこととしました。

 そこで,広島大学大学院教育学研究科は,今後の教員養成の充実に対する期待を踏まえ,広域拠点型の教員養成を使命としていることに鑑み,このような課題に応えるために,広島県教育委員会,広島市教育委員会,東広島市教育委員会等との緊密な連携・協働のもとに,教職開発専攻(教職大学院)を設置します。それにより,学部段階での資質能力を有した者の中から,さらにより実践的な指導力を備え,新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成を行うことを目指し,また,現職教員を対象に,学校における指導的役割を果たし得る教員等として不可欠な確かな指導的理論と優れた実践的対応力と実践研究力を備えたスクールリーダーを養成することを目指します。

履修上の特徴

(1)学校現場が直面する諸問題の総合的・構造的理解のための科目群

 「新しい学び」の指導(アクティブ・ラーニングの指導・評価など)や生徒指導等の諸課題,協働するためのマネジメントなど,学校現場が直面する諸課題への実践的対応力を総合的に身につけます。

(2)アクションリサーチ型の探究による実践研究力の獲得

 アクションリサーチ型の探究が教育課程の中核です。
理論と実践の融合による省察的な探究を行い,実践研究力を確かなものとします。

(3)トライアングル型(3名の教員等)によるきめ細やかな指導体制

 研究者教員,実務家教員,実習校教員等が連携してきめ細やかな指導を行います。
さらに,広島県教育委員会・広島市教育委員会・東広島市教育委員会等の関係機関との連携・協働によって,二年間の学びを支援します。

修了生・所属校校長先生の声

令和4年度修了生
山下 喜子 先生 (現職教員として入学)
現在,竹原市立東野小学校勤務
教職大学院を修了し、子どもの見方が変わったと思います。それまでは「これが子どものためになる」、「これをやらせたい」と自分を中心に考えていたけれど、大学院での学びを経て、「子どもはどう考えているのだろう?」や「子どもたちはどのように取り組みたいのだろう?」と、子どもの視点で考えるようになりました。同じように、同僚への見方も変わりました。それまでは 「もっとがんばろうや」、「無理してでもやろうよ」と思っていましたが、時間への考え方と同じように、限られた時間と人間の力で、できることをする方がより教育的効果も高まるし,子どもと向き合える時間も確保できると思うようになりました。

所属校校長先生より

竹原市立東野小学校校長
德森友希男先生
山下先生は、大学院に行って大きく成長しました。研究の仕方・進め方ということもありますが、何よりも教育観が変わったと思います。それは、子どもをどのように見るか、子どもがどう考えているかを中心とした教育観―授業だけでなく、学級や児童会でも、子どもたちの発想や着眼点をとても大切に育ててくれています。もう一つ大きく変わったのは、時間の使い方です。それまでは、時間外勤務だろうが、やりたいことができるまで取り組む、という姿勢でしたが、今は限られた時間で工夫するスタイルになりました。このことは、校内の他の教員にもとても良い影響を与えています。学校でバリバリ活躍している教員を大学院に派遣するということはとても大きな決断ですが、他の先生方にも大学院に行ってもらいたいと思っています。

令和3年度修了生
鉦谷 朱理 先生 (他大学学部から入学)
現在,東広島市立西条中学校勤務
心理学を学んでいた学部から教職大学院に進学し、それまで知らなかったこと、見ていなかったことに気付かされました。自分の視野が広がったと思います。学部時代は教科(社会科)の専門的な勉強が不十分だったので、アクションリサーチを通して教科の研究ができたのが新鮮でした。他の教科などとどのように関連しているのかを学ぶことも出来、今の授業づくりの土台ができたと思います。学部時代に学んだ心理学で生徒に寄り添うことと、教職大学院で学んだ教科指導とを繋げて考えられるようになり、自分の教職の「軸」というか、教育観ができてきたように思います。

所属校校長先生より

東広島市立西条中学校校長
池田隆先生
鉦谷先生の素晴らしいところは、授業をしながら自分の指導を見つめ直すことができていることだと思います。教職大学院の学びをとおして、自分の指導を検証して、指導を修正していくというスタイルが身に付いているのだと思います。鉦谷先生が授業をはじめとする様々な場面で生徒に寄り添おうとする姿を、たいへん頼もしく感じています。これから苦労することがあるかもしれませんが、2年間の教職大学院で身に付けた自分の「軸」、つまり教育観が鉦谷先生を支えてくれると思います。

現職教員の皆様へ

広島大学教職大学院は,現職教員にとっても貴重な学びの場となっており,教職大学院で学ばれた先生方が教育現場で活躍をしています。これから,大学院での修学を考えておられる現職教員の方が活用できる制度を紹介します。

広島大学教職大学院で修学するために利用できる制度

(1)各都道府県等教育委員会の派遣制度
 学校における研修の推進及び指導的な役割を担うことができる人材の育成を目指し,大学院への派遣制度を実施している都道府県等教育委員会があります。
 派遣制度の詳細については,各都道府県等教育委員会の要項等を参照してください。

(2)大学院修学休業制度等の活用
 大学院修学休業制度や自己啓発等休業を活用して教職大学院に修学することができます。
 制度の概要については,次を参照してください。
 文部科学省「大学院修学休業制度」
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuugyou/syuugaku.htm

奨学金制度

 大学院修学休業制度等で修学している場合,家計基準を満たしていれば,奨学金制度の活用が可能になることがあります。詳しくは,次のリンクを参照してください。

※入学料,学費等については広島大学Webページを参照してください。

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